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【実話怪談⑤】バンドコンテスト音源づくり【メンバーに忍び寄る霊】

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心霊話は心霊スポットに行ったり、お墓参りをしたりと非日常のなかの話とよく言われがちではありますが、日常生活の中にもあります。というのも、非日常の中では霊を意識するタイミングがありますが、日常ではなかなかないからかもしれませんね。

 

しかしそんな日常生活の中にも怖い話はあるものです。これは、僕が高校二年の時のお話です。

 

当時僕は高校2年生で、毎日音楽スタジオに通っていました。というのも友だちとバンドを組んだばかりで、演奏したくて仕方がなかったからです。
バンドの編成は、ボーカル、リードギター、サイドギター、ベース、ドラムの五人編成でした。

 

曲は自分たちのオリジナルはやったことがなく、当時の人気だった某ロックバンドのコピーばかりしていました。

 

そんなある日、いつものように音楽スタジオに行くと、メンバーの一人のR君が話があるといってメンバーを集めました。

 

「今度コンテストがあるんだけどみんなで出てみない?」
彼はギターも上手で、僕たちもライブをやりたい盛りだったため、二つ返事で承諾しました。

 

承諾したのはいいものの、問題がありました。それは、コンテストの審査に出す用の音源でした。

 

そのコンテストの審査はオーディション形式だったため、音源が必要になったのです。僕たちは当時音源を作っていなくて、バンドで初の音源を作るために毎日毎日練習をしました。

 

練習し始めて、一か月くらいたち、ようやく演奏もサマになってレコーディングスタジオに入る1週間となりました。

 

そんなある日不意に、メンバーの一人のR君が、「一回音源に落としてみようぜ。確認してみようよ」と言い出しました。

 

レコーディングスタジオの費用は高額で、1日で1か月分の給料が飛んでいくくらいの金額だったことや、当時の僕たちは高校生ということもあり、お金がとにかくなかったものですから、レコーディングスタジオは、予算の関係上、半日しかおさえられませんでした。

 

そのために、絶対に失敗だけはできません。でもいま取っておけば、予行演習ができるとみんな賛成したわけです。一通り練習が終わって、いざ取り始めると、ベース担当のY君がさわぎ始めたのです。

 

「だからうるさいって」
いきなりベースを床にたたきつけるY君。
「へ?どうしたどうした」
僕を含めた残りの3名は、びっくりしてしまい、Y君をみます。

 

「さっきからうるさいんだよ、助けて助けてってよ」
Y君が叫びます。そして、スタジオから何かに追い詰められたかのように、真っ青な顔をして、出ていってしまいました。

 

唖然とする僕たちは、何があったのかわからなくて、ただただ呆然と見つめることしかできません。

 

しかも、Y君以外には誰にもその声が聞こえていないからです。とはいえ、当時の僕はバンドのリーダーをしていましたので、Y君を追いかけ、彼に何があったのか聞くことにしました。

 

すると、彼はこういいました。

「今日聞いたことは誰にも言わないでほしい。最初からちょっとおかしかったんだけど、演奏をしているとき、急に女の声がしたんだ。そんで俺の耳元で大きな声でいうんだよ。「助けて、助けてー」ってさ。みんなにも聞こえていると思ったんだけど、曲の最中だったし、他の3人もお前も全然気づかないみたいだったから、この世のものじゃなかったのかも。。」

 

僕は驚きながらも、Y君の耳の良さが半端ではないこと、絶対音感の持ち主であることを総合してもありうることだろうなと考えていました。

 

とはいえ、僕たちは音楽でコンテストに出ようとしていた時だったので、レコーディングまでに時間がありません。ですから、彼に戻ってくれるように頼むしかありませんでした。もちろん、彼はいやだと断りましたが何とか戻ってもらえるようにたのみ、練習を終えました。

 

翌日になって練習に行ってみると、Y君は学校を休んでいました。電話をして話しましたが、「スタジオがこわい」とのことで、どうしようもありませんでした。

 

リーダーとして何とかしないといけないと思った僕は、何が原因かを知りたくなっり、野次馬根性が全開で、そのスタジオのエンジニアの人たちやスタジオを利用している人たちに話を聞いてみることにしました。

 

でも帰ってくる答えは、
「いや、聞いたことはないです。」
という何も知らないという答えばかり。本当に何もないのか?と思いあきらめかけたそのときでした。一人のエンジニアさんが「俺もその体験あるよ」という人がいました。

 

「ご存じなんですか?」と聞くと、「しってるよ」というエンジニアさん。「聞かせてください」という僕に、「後悔するなよ」とエンジニアさんはいいました。「しません」と言いながらもドキドキしながら待っていると、彼は話し始めました。

 

「もう何百年も前の話だけど、江戸時代にはこの辺には大規模の女性専用の処刑場があってね。冤罪の人も多くその処刑場で処刑されたらしいんだ。そしてその後も、多くの人がなくなったりしているんだよ」

 

彼が言うには、そこは昔処刑場があったらしく、多くの冤罪の女性が処刑されていたそうです。その後も、いろんなことがあったらしく、女性が飛び降りたり、交通事故でなくなったりといわゆる、いわくつきの物件なのだといいます。

 

そう聞いた僕はまた疑問がありました。それは、なぜ処刑場であった場所は何百年も前の話です。その後に人が不幸にさいなまれる原因が気になりました。

 

そして、僕は霊感のあるお坊さんに話を聞きにお寺に行きました。するとどうやらその場所が霊道だったようで、鈍感な僕や他のメンバーには気が付きませんでしたが、Y君には見えていたのではないかとの話でした。

 

その後Y君に電話をかけるも全くつながらず、高校も自主退職してしまい、以降23年間行方不明です。

 

その後僕たちのバンドは解散し職場もみんな違うのでバンドが集まることはありません。

 

音楽などの電気を通して音が出るものや録音機にはよく変な音が入るといいますがまさか自分たちに起こるとは思っていなかったので驚きを隠せないそんな経験です。

 

友だちのY君は一体どうなったのでしょうか。
今でもちゃんと生きているかの消息だけでも知りたいですが連絡も取れないので、知る由もありません。

 

そんな怖い体験をした話でした。