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【実話怪談⑩】木造校舎に潜む影

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こんばんわ。紅蓮です。

 

心霊スポットの中でも、特に怖い場所として知られているのが、学校です。

 

学校には廃校になっているのに、チャイムが聞こえる校舎、いないはずの音楽室から聞こえるピアノなどいろんな話がありますよね。

 

今宵のお話は、知り合いのIさんという小学校教師の女性からお聞きした、校舎にまつわる怖い話です。

 

どうぞ最後までお読みくださいね。

これは2週間前のお話です。

私はかつて通っていた小学校の同窓会に出席するため、久しぶりに田舎の町を訪れました。

懐かしい校舎は、木造建築特有の温かみを感じさせます。

しかし、その温かさと共に背筋をぞっとさせるような寒気が襲いました。

同窓会は和気あいあいと進み、私も当時の友人たちと懐かしい思い出話に花が咲かせていました。

しかし、ふと誰かが話題にしたのは、この校舎にまつわる怪談だったのです。

「ねえねえ、音楽室って今でも使われてないんだよね?」

「ああ、もう何年も誰も使ってないらしいよ。」

「昔、そこで首吊り自殺があったって聞いたんだけど…」

その話をきっかけに、参加者たちはそれぞれの体験談を語り始めました。

「夜中に校舎の窓から人影を見たことがある。」

「誰もいないはずなのに、音楽室からピアノの音が聞こえた。」

「職員室の机が、勝手に動き出したことがある。」

次第に、同窓会会場の空気が重く、冷たく感じられるようになっていきます。

「そういえば、あなたも何か体験したことがあるって聞いたんだけど…」

同級生の一人が、私に視線を向けます。

私は仕方なく、深呼吸をして、自身の体験談を語り始めたのです。

それは、私が小学6年生の時、夏休みのある日でした。

宿題を忘れて学校に取りに行った私は、誰もいないはずの校舎で、奇妙な現象を目撃します。

薄暗い廊下を、一人の少女がゆっくりと歩いていました。

白いワンピースを着たその少女は、まるで幽霊のように足音を立てずに移動しています。

私は、恐怖で体が硬直したまま、その少女を見つめていました。

少女は、音楽室の扉の前で立ち止まり、ゆっくりとドアノブを回します。

そして、静かにドアを開け、中へと消えていきました。

私は、恐怖に震えながら、音楽室の扉へと近づきます。

そして、恐る恐るドアノブを握り、ドアを開けました。

音楽室の中は、薄暗く、静まり返っていました。

ピアノの椅子には、誰も座っていませんでした。

恐る恐る奥へと進み、ピアノの鍵盤を見ました。

そこには、一列だけ、鍵盤が押し下げられた跡がありました。

まるで、誰かがそこに座って、一音だけ弾いたかのようでした。

私は背筋にぞっとするような寒気を感じながら、音楽室から逃げ出してしまいました。

そして、二度とあの場所には足を踏み入れることはありませんでした。

同窓会は、その後も怪談話で盛り上がり、夜が更けていきます。

しかし、私の心からは、あの日見た少女の記憶が消えることはありませんでした。

同窓会から数日後、私は再びあの小学校を訪れました。

そして、音楽室の扉を開け、あの日見た光景を確かめようとしました。

しかし、ピアノの鍵盤には、何も跡はありませんでした。

まるで、あの日の出来事が、夢だったかのように。

何も分からなくなった私はそのまま、校舎を後にしました。

しかし、あの日見た少女の記憶は、私の心から消えることはありませんでした。

木造校舎に潜む影。あれはいったい何だったのでしょうか?

その後、後者が取り壊され、今となっては確認のしようもありませんが、その後も心に永遠に残る謎となっているのです。

影の正体

あの日以来、私は少女の影に悩まされ続けています。

夜になると、夢の中に少女が現れ、私に何かを訴えようとしているような気がしました。

ある日私は図書館で古い資料を調べていた時に、一枚の紙切れを見つけました。

それは、戦時中にこの小学校で起きた悲劇に関する資料でした。

資料によると、当時この小学校には、戦災孤児となった少女たちが多くいました。

しかし、戦争が激化するにつれ、食料や生活物資が不足し、少女たちは過酷な生活を強いられていました。

そして、ある夜、少女たちは軍人によって校舎に閉じ込められ、火をつけられてしまいます。

少女たちは、逃げ場を失い、火の中で命を落としてしまったのです。

私は、資料の内容を読み、背筋にぞっとするような寒気を感じました。

あの日見た少女は、火事で亡くなった少女たちの霊だったのでしょうか?

私は、少女たちの供養のために、音楽室でピアノを弾くことにしました。

少女たちが好きだったという、あの日の一曲を。

ピアノの音色が、静かに校舎に響き渡ります。

すると、音楽室の扉が開き、少女の影が現れました。

少女は、私の演奏を静かに聞いていました。

そして、演奏が終わると、少女はゆっくりと私に近づいてきます。

私は、恐怖で体が震えながらも、少女に語りかけました。

「もう、苦しまなくていいんだよ。私たちは、あなたたちを忘れない。」

少女は、私の言葉に静かにうなずくと、光となって消えていきました。

それ以来、私が少女の影を見ることはありませんでした。

しかし、少女たちの存在は、私の心の中に永远に残っています。

私は、毎年命日の日に、少女たちの供養のために音楽室でピアノを弾いています。そして、少女たちの悲劇が二度と繰り返されないことを、心から願っています。

後日談

数年後、再びあの小学校を訪れました。校舎は老朽化のため、取り壊されることになっていました。

私は、取り壊される前にもう一度音楽室を訪れました。

そして、ピアノの前に座り、少女たちの好きだったあの曲を弾きました。

ピアノの音色が、静かに校舎に響き渡ります。

すると、音楽室の扉が開き、光が差し込んできたのです。

私は、光の中に少女たちの姿を見ました。

少女たちは、私に微笑みながら、手を振っていました。

私は、彼女たちと別れを告げ、音楽室を後にしました。

そして、取り壊される校舎を見送りました。

木造校舎は、少女たちの記憶と共に、消えていきました。

しかし、私の心の中には彼女たちのことは永远に残ることとなりました。