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【実話怪談⑪】山奥での「黒トンネル」での不思議な呪念と車の末路

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こんばんは。紅蓮です。

 

トンネルにまつわる怪談はいろいろありますよね。

 かの有名な犬鳴トンネルだってトンネルに関する怪談の1つ。

 

今回は、そんなトンネルにまつわる怪談を紹介していきましょう。

 

これは知り合いのAさんから聞いたお話です。

ぜひ最後まで読んで恐怖を感じていってください。

 

これは2年前のお話です。

 

当時の私は、非日常を味わいたくて、心霊スポット巡りをするのが週末の楽しみでした。

 

東京から車で2時間ほど走った先の山奥に、県を跨ぐ古いトンネルがあります。

 

通称「黒トンネル」と呼ばれ、昔から心霊スポットとして知られています。

 

トンネル内で起きた怪奇現象が数々あり、いろんな目撃情報がある場所として友人から私も聞かされていました。

 

あまりの噂レベルに私も行きたいと思っていたんです。あの事件が起こるまでは…。

 

その日は大学時代の友人4人と車でドライブに出かけてちょっと遠出をしていたんです。

 

山間の絶景をみながらドライブを楽しんだ後、夕方になり沈む夕日を眺めながらの帰路につきました。

 しかし、そこで来た道がわかりにくくなってしまったのです。

 

とはいえ、場所は山の中。

 

携帯のナビを使おうにも電波が届かずに使えません。

 

でもそこにいるのは怖いから、車を走らせているうちに迷子になってしまったのです。

 

走っているうちに前にトンネルを発見。

 

私たちは「これで家に帰れる」と思い、通り抜けることにしたのです。

 

最初はなんの変哲もないトンネルだったんですが、半分くらいまで来たところでしょうか?急にすべての電子機器がまったく動かなくなってしまったのです。

 

まあ山奥のトンネルなので、ラジオの電波や携帯電話のナビなどが使えないのはなんとなく当然のような気がしますが、携帯や車のライトはまた別の話。

 

車はバッテリーから電気がついているし、携帯は充電しているので、電源が切れるはずもないわけです。

 

しかもさっきまで充電していたため100%近くあった携帯の電源が落ち、車もプスンとエンストしてしまい、ライトも落ちたために真っ暗になってしまったのです。

 

そんなことがあったために、友人たちも不安な面持ちで黙り込んでしまいました。

 

そんな沈黙の中、どのくらいたったでしょうか?

 

突然、車内に異臭が流れ込んできました。

 

その異臭はまるで、何かが焦げているような匂いでした。

 

運転していた友人が、勇気を出して外に出てみると、どうやらボンネットからのようとのことでした。

 

そんな中、何かに気づいた友人の一人が、叫びました。

「ぎゃああああああ」

 

いきなりのことで、何が何やらわかりません。

 

でも、友人たち全員が同じ反応をしているので、前を見ると、フロントガラスの一面に真っ赤な人の目が無数に張り付いていたのです。

 

こうなると友人と同じく私も正気ではいられません。

 

「ぎゃー」

 

あまりの怖さに、助手席に載っていた友だちの足がフロントガラスに直撃しました。すると真っ赤な目の集合体は一気に晴れ、車が動くようになりました。

 

「動くようになったなら早く車を出して…」

 

とにかく走り出すようにと運転者に言い、走り始めました。

 

長いトンネルのなかをどのくらいは知ってきたでしょうか?

 

出口が見えたと思った瞬間、運転していた友だちが、「ん?何だあれ?」といいました。

 

その顔はまるで、幽霊でもみたかのようです。

 

よくわからなかったので目を凝らしてみると、なんとトンネルの突き当たりに人影が。。。。

 

そうなんです。山奥のトンネルに人っ子一人いるはずないんです。唖然としている運転者。

 

同時にフロントガラスにも先ほどとは別の何者かの無数の手形が現れ、突然の事態にパニック状態でした。

 

「ぎゃあぁあああ」

 

叫びながらも、なんとかトンネルを潜り抜けることができたのです。

 

あまりの怖さに家にそのまま送ってもらい、その日は事なきを得ました。

 

翌日、運転した友だちから連絡があり、お互いの家からちょうど中間付近にある、ファミレスで会うことになりました。

 

ファミレスにつくと、そこには昨晩のメンバーが来ていたのです。

 

そして全員で他愛もない話をして、食事をし、じゃあ返ろうかという話になった瞬間でした。

 

「ちょっと車を見てほしい」

 

運転をしていた友だちが言うので、全員で駐車場に行くことに。

 

「車の外を見てほしい。あれ、やっぱり勘違いとか見間違いの類じゃなかったんだ」

 

彼は言いました。

 

「トンネルを抜けて、そのあと家に送っていっただろ?そのあとにまたこの異臭がしてきてさ。

コンビニによって車の外をみたらこの通りだよ」

と車を見せました。

 

そこにはボンネットから未だ異臭が漂い続け、フロントガラスには赤黒い手形のようなものが無数に付着していたのです。

 

私たちは無残にもパニック状態に陥り誰一人怪奇現象の経験者がいなかったため、この怪奇現象の理由が分かりませんでした。

 

しかし、一同に被害がなかったことだけが奇跡でした。

 

幸いこの経験で、友人たちは怪談の心霊現象を実体験することができました。

 

今でも時々あの時の話になるのですが、顔を硬くして「あの日は本当に怖かった」と口をそろえていいます。

私も半ば後悔しながらも、あの経験は一生忘れられない経験となりました。