紅蓮のホラーレビューの館

紅蓮の見たホラー映画のレビューブログです

【実話怪談⑨】奈良の廃寺で体験した、異形の存在

※当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

 こんばんは。紅蓮です。

 

今日も元気に怖い話、たのしんでいますか?

 

今宵は僕も縁やゆかりがある土地、奈良県のとある廃寺で体験した心霊系の実話怪談をお届けします。

 

ぜひ最後までお楽しみください。

友人の奈良への来訪

これは今からちょうど20年前、私が大学生の時のお話です。

 

当時私は奈良に住んでいました。

 

私は英語系の学部にいて、海外留学に出かけたこともあったのですが、その先で仲良くなった友人がいました。

 

その友人がある日、海外から奈良へ1週間の旅行に来ることになり、私はガイドをすることになりました。

 

必死で歴史を勉強してガイドを行う私。

 

でもそのつたないガイドでも東大寺や春日大社といった有名な観光地は初めてくる彼女を喜ばせるには十分な場所だったようで、友人は歴史と自然を満喫しているようでした。

 

1週間の旅行最終日、私の提案で少し足を伸ばして、とある山奥にある廃寺を訪れてみないかという提案をしました。

 

彼女は大の怪談好き。二つ返事で目を輝かせ「行こう」という話になりました。

薄暗いどんよりした境内

ややもあって廃寺につくと、鬱蒼とした森に囲まれた建物がぽつんと一軒建っています。

 

いかにもという感じで、人気は全くなく静寂に包まれていました。

 

彼女は「入ってみようよ」とうきうきしておりちょっと怖がりの私は、そんな彼女の後をついていきました。

 

(私自身怪談は好きですが、実は大の怖がりで、心霊スポットなどはあまり行かないタイプなのです。

 

とはいえ今回は彼女が大の心霊スポット好きということもあり、このツアーを組んだんです。)

 

朽ち果てた門をくぐり、薄暗い境内へと足を踏み入れます。

 

苔むした石畳、倒壊寸前の建物、荒れ果てた仏像。

 

そこには、時間の流れが止まったような異様な空間が広がっていたのです。

いるはずのない影との遭遇

「わあ、雰囲気あるね~」

 

なんて彼女と話しながら本堂に近づくと、何やら奥から奇妙な音が聞こえてきました。

 

「あれ?誰かいるのかな?」

 

彼女に聞くところによれば、心霊スポットに行くと別のグループと遭遇することもよくあるといいますし、私もあまり気にせずに「そうなのかもね」くらいに話していました。

 

でも

「ギギギ…ギギギ…ギギギギギ…」

とどう聞いても、何かが床を引きずって近づいてくるような音なんです。

 

「なに?何の音?近づいてきているよね?」

不安そうな彼女を目に私も不安になります。

 

恐る恐る本堂の扉を開けると、そこには誰もいないはずなのに、人影のようなものがチラリと見えたのです。

恐怖の追跡

「っっっっ」

声にならない悲鳴を上げて、私たちは後ずさりし、友人と顔を見合わせました。

 

心霊スポットが大好きな友人の顔も青ざめていました。

 

「…何かいた…?」

 

友人の声が、かすかに震えていましたが、でも好奇心には勝てない様子。

 

「何か確かめたい」

 

彼女はそういい、走り出してしまいました。

人影の正体を追跡

あまりにも急だったので私も走り出してしまい、結果私たちは恐怖に支配されながらも、その人影を追いかけることにしました。

 

しかし、途中見失ってしまいました。

消えた存在

本堂の奥にある部屋に入ると、人影は忽然と消えていました。

 

「あれ?どこにいったのかな」

 

彼女も私も一生懸命目を凝らし、探します。

 

「この部屋に入ったよね」

 

彼女は聞いてきます。

 

「うん…。」

 

私も返します。

 

その部屋は窓も扉も閉められており、外に逃げることはどう考えても不可能。

 

なのに、部屋には誰もいないのです。

 

私たちは、ただ茫然と立ち尽くすしかありませんでした。

背筋も凍る声

その時、背後から不気味な男の声が聞こえてきました。

 

「…出ていけ…。」

 

それは、まるで地鳴りのようなこの世のものとは思えないものの声のようでした。

 

私たちは驚きと恐怖で声が出ず、ただただ立ち尽くすしかありませんでした。

命からがら逃げ出す

先ほどの好奇心はどこへやら。

 

好奇心が恐怖に変わる瞬間はこういうことなんだと実感してしまいました。

 

彼女にも同じ声が聞こえたといいます。

 

声の正体を確認する勇気はありませんでした。

 

私たちは、ただひたすらに寺の外に逃げ出しました。

 

本堂を飛び出し、境内を駆け抜け、門をくぐり、森の中へと走り続けました。

消えた廃寺

どのくらいたったのでしょうか。

 

振り返ってみると、廃寺がなくなっていたのです。

 

まるで、私たちが見たものが幻だったかのように。

 

しかし、あの奇妙な声は今でも耳に残っており、恐怖は今でも私の心に深く刻み込まれています。

 

 

語り継がれる怪談

後日、地元の人に話を聞いたところ、あの廃寺は昔から曰く付きの場所として知られていたそうです。

 

かつては僧侶が修行していた場所でしたが、ある日突然、全ての僧侶が姿を消し、廃寺となった場所だったのだそう。

 

あの声と人影は一体何だったのでしょうか?

 


今では更地になっているため確認もできません。後日一人で訪れた時にはなくなっていた。

 


ただ一つ言えるのは、あのとき命の危険があったのはまちがいなく、友人を危険な目にあわせてしまったことを深く後悔しています。

結び

いかがでしたか?

前回に続き今回は廃寺で体験した体験談でした。

 

今回の内容は、好奇心に駆られた代償ともいえる出来事かなと思いました。

 

廃墟や廃村、廃寺、廃神社等は確かにスリルを楽しむ場所としては最高です。

 

とはいえ危険な事項もあるので、安易に近づいてしまうと命の危険もあります。

 

また今回は場所が消えたために何もなかったですが、怨念や霊的な存在が関わっている場合があります。

 

このような存在は、私たちに恐怖を与えるだけでなく、時には命を奪うこともあるのです。

 

怪談は、単なる怖い話ではありません。

 

今夜お届けした怪談が、皆様の心に少しでも教訓になっていればうれしいです。

 

ってことで今回はこの辺で。

 

また次回に